映画の感想 「ちょっと思い出しただけ」
久しぶりに映画館に行って、「ちょっと思い出しただけ」を見てきた。
「花束みたいな恋をした」が流行ってから、こういうハッピーエンドじゃない恋愛映画が流行っている気がする。
私は元々そういった作品が好きで、好きな映画3本を挙げればその中に「ブルーバレンタイン」が入ってくる。
花束みたいな恋をした、も好きだった。
「ちょっと思い出しただけ」を「花束みたいな恋をした」と比べると、花束〜が心にぐさっと刺さって、傷を抉ってくるような作品であるとすれば、ちょっと〜は、そこまで鋭利に刺しては来ない。本当に「ちょっと」思い出した部分だけを見せてくるから、傷は深くない。けれど、本当はもっと沢山の思い出があることは想像に難くない。
だから、それを想像することや、自分の経験と照らし合わせてくることで、じんわりと心にくるものがある。
そして、もう一つ、この映画の特徴として、ベンチで妻を待っている夫の存在を挙げたい。
彼についても多くは語られないのだけれど、とてもとてもいい夫婦だったのだろうと想像できる。彼らに何があったのかはわからないけれど、彼らの人生も、同様に映画になるくらいの物語があって、生きているすべての人に、同じように、映画になるくらいの物語があるのだろう、と思う。
私は夜に一人でこの映画を観に行ったけれど、これは夜に観て余韻に浸るのが正解な映画だと思う。
考え事をしたい人、たまには何かを思いだしたい人には、特におすすめの作品だと思う。